B_to_Z

"B"から”Z”までに捧げる。そんなブログ。

アナログゲーム ルール・解説などの置き場

自分が翻訳(抄訳)したアナログゲームのルールなどを

公開しております。ご自由にご利用ください。

誤記、誤訳などに関する指摘歓迎。

基本的にBGGにアップしているものと同じです。

 

ゲーム名(五十音順)

 

・BetaBotz(ベータボッツ)

コードカードなどカード上の記述に関する解説。

https://app.box.com/s/3wyxza6yg7kw776mwwydjs585rhpq07b

 

・CAPTAIN SONAR UPGRADE ONE(キャプテンソナー アップグレードワン)

キャプテンソナー アップグレードワン(拡張版)のゲームサマリー。

https://app.box.com/s/a9jldh0urezyawe5dn3xxm88c264h53e

 

・Cash N' Guns(キャッシュ・アンド・ガンズ)

ゲームサマリーおよび役職ごとの特殊能力の解説。

https://app.box.com/s/vett72d5cyekm5atxwsur5u0wt85jeed

 

・Colony(コロニー)

ルール抄訳。

https://app.box.com/s/r9npjk42tnjbjtewz68746w8ko1guwgl

 

Mystic Vale(ミスティック・ヴェイル)

拡張第二弾までの各アドバンスメント、ヴェイル、リーダー等に関する解説。

https://app.box.com/s/4tjcbvuljb9pqvsqwcssstip9ugqqe80

 

・Valletta(ヴァレッタ

ルール抄訳&カード効果の一覧。

https://app.box.com/s/ayt3astm4wnstag2hc4ob22zbf2mwimv

フランス語版用のキャラクターカードの一覧。

https://app.box.com/s/y5qxyy1ah0vwgq35j9dzu5pftmhq2cm3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『MYSTIC VALE』を遊ぶ

f:id:guianakouji:20170525200236j:plainベースゲームのパッケージ。

 

f:id:guianakouji:20170525200416j:plain拡張第一弾「Vale of Magic」のパッケージ。今回の記事ではこちらの拡張も
導入した状態で執筆している。

 

・ゲームの概要

MYSTIC VALE』は2016年にAlderac Entertainment Groupから
発売されたカードゲーム。
ドミニオン』のヒット以降、それをベースとした
デッキ構築型の派生ゲームがいくつかリリースされてきたが、
本作では透明シートの一部にイラストやデータを記載した
特殊なカードを用いることでデッキでなく、
カードその物を構築できることが特色となっている。
デッキビルディングならぬカードクラフティングゲーム……
それが本作である。

 

・四行でわかるストーリー

魔王「げほげほ。このままだと死んでしまう……。ドルイドさん、なんとかして」
ドルイド「うん、やだ。(長生きされると厄介だし)」
魔王「ちくしょー、最後の力でお前たちの聖地に呪いをかけてやらぁ!」ばたっ
ドルイド「やべぇ、どうしよう……」←今ここ

わりとこんなストーリーのゲームだ。

 

・ゲームの目的

プレイヤーは大地の神、ガイアを信奉するドルイドとなり、
動植物、自然環境、精霊、英雄たち等の力を借りながら、
悪しき王の呪いによって荒廃してしまった聖地を復興させていくこととなる。
復興作業への貢献はゲーム中、勝利点という形で表現されており、
最終的に最も多くの勝利点を得た者が勝者となる。

 

・ゲームの準備

f:id:guianakouji:20170525200928j:plainトークン類を除けばゲームで使用するのはカードのみである。
まず、以下のプレイヤー人数に応じて勝利点のプールを
準備する。

2人プレイ:23点
3人プレイ:28点
4人プレイ:33点

 

また「アドバンスメント」(詳細は後述)のカードも
レベル1の物はプレイヤー人数に応じて変わるため、以下の通り、
セットアップする。

2人プレイ:12枚
3人プレイ:15枚
4人プレイ:18枚

 

 

f:id:guianakouji:20170525201025j:plainプレイヤーには若干大きめのスリーブに入った
20枚のカードからなるデッキがまず手渡される。

 

f:id:guianakouji:20170525201108j:plain初期状態のデッキの中身。衰退(Decay)を示す赤い枯木のシンボル(詳細は後述)と
ゲーム中のお金に相当するマナを示す水色のシンボルが書かれたカードの他、
完全にブランクのカードが8枚あり、ここからゲームはスタートする。

 

・ゲームの進行

プレイヤートークンを表向き(水色の面)にしてよく混ぜ、
各プレイヤーが1枚ずつそれを取っていく。

f:id:guianakouji:20170525201217j:plain

トークンを裏返して裏側(グレーの面)に星が描かれていたトークンを

取ったプレイヤーがスタートプレイヤーとなり、ゲームが開始される。

 

・プランティングフェイズ

手番プレイヤーはまず「プランティング」(植樹)フェイズを実行する。
簡単に言ってしまうと、このフェイズの目的は後のフェイズで
買い物をするために必要な資金集めである。


プレイヤーは良くシャッフルした自分のデッキを伏せて置き、
一番上のカードをオープンする。デッキの上にオープンされて
置かれたカードは「オンデッキカード」とゲーム中で呼称される。
その後、オンデッキカードを「フィールド」と呼ばれる
デッキの隣のスペースにオープンした順番が分かるように
並べて(プレイして)いく。

f:id:guianakouji:20170525201338j:plain

この時、注意しなければいけないのは「衰退」を示す赤く丸いシンボルだ。
オンデッキカードに3つ目の衰退のシンボルが現れたらカードを
オープンしてプレイする作業を中断し、ここで現在の
プランティングフェイズをパスするかプッシュする(カードを引き続ける)かを
選択しなければならない。

 

➥パスをした場合
フィールドにプレイされているカードに記載されたマナの合計が
後の「ハーベスト」(収穫)で使用できる資金となる。
この時、オンデッキカードは衰退のシンボルのみがカウントの
対象となり、マナやその他の効果は基本的にカウントされないので注意。
従って上のケースでプレイヤーが獲得したマナは3となる。
そして、そのままハーベストフェイズへ移行する。

 

➥プッシュした場合
続けてカードをオープンし、プレイしていくことができ、
任意のタイミングでパスが可能。しかし、オンデッキカードに
4つ目の衰退のカードが現れた場合、「スポイル」(腐敗)が
発生してしまう。

f:id:guianakouji:20170525201542j:plain

※スポイルした際の例

プランティングフェイズでスポイルが発生すると
その後のハーベストフェイズがスキップされてしまう。
つまり、新しいカードを購入できなくなる他、ハーベストフェイズでのみ
得られる様々な恩恵を受けられなくなる。
これは手痛い。

 

このようにスポイルはペナルティなのだが、
プレイヤートークンが裏面(グレー側)だった場合、
これを表面(水色側)に裏返して次のターン以降、1マナとして利用できる。
プランティングで獲得するマナは次のターン以降持ち越しができないが、
プレイヤートークンの反転によって得たマナは例外だ。

 

 ・ハーベストフェイズ

プランティングで得たマナで買い物を行うのが
ハーベストフェイズである。
プレイヤーは「アドバンスメント」と「ヴェイル」の
2種類のカードをこのフェイズで購入ができる。

 

・アドバンスメントの購入

f:id:guianakouji:20170525201709j:plainコモン(共有地)と呼ばれる場所からアドバンスメントを選び
購入する。アドバンスメントには1~3までのレベルがあり、
当然、高レベルになるほど強力で価値のあるカードが増えていくが、
レベル1のカードは汎用性が高いものが多く、
まずはこのレベル帯のカードを充実させていくことが重要だ。
ただし、レベル1のアドバンスメントの数はレベル2、レベル3と
比較して少ないため、必然的に早い者勝ちとなる。

なお、レベル1のカードが尽きた場合、レベル1のカードが補充されていた
場所にはレベル2のカードが補充されていく。

f:id:guianakouji:20170525201752j:plain また、獲得マナを1つ増やせる肥沃な土地(Fertile Soil)のカードも
アドバンスメントとして2マナで購入できる。
イラストの位置は上中下、任意の箇所を選んで購入できる。
悪いカードではないが、カードのスロットを後々圧迫するため心には留めておこう。
ちなみに、通常、ハーベストフェイズで一度に購入できる
アドバンスメントの数は2枚までである。

 

 

・アドバンスメントの見方

f:id:guianakouji:20170525201959j:plain①勝利点(水色)
ハーベスト時にこのアドバンスメントがフィールドにプレイされていた場合、
即時獲得できる勝利点。
②衰退
衰退のシンボル。プランティング時のスポイルの条件となる。
特殊な状況を除いて有り難くない物なので、1つのカードに
2つ以上の衰退のシンボルが付かないよう注意したい。
③スピリットシンボル
ヴェイルカードを購入する時に必要なシンボル。
写真にもある足跡マークの「獣」の他、星マークの「空」、
樹木マークの「森」、そして他のスピリットシンボルとして
代用可能な紫の渦マークの「ワイルド」の4種類が存在する。
④ガーディアンシンボル
兜のマークが目印のシンボル。これ単体では意味がないが
アドバンスメントの能力次第で様々な効果を持つ。
⑤購入コスト
ハーベストでこのアドバンスメントを購入する際に必要な
マナのコスト。コスト下の小さな星はアドバンスメントのレベルである。
⑥勝利点(グレー)
水色と異なり、ハーベスト時に獲得はできないが
ゲーム終了時にカウントされる勝利点。

 

・ヴェイルカードの購入f:id:guianakouji:20170525202607j:plain

ハーベストではアドバンスメントと同じように
ヴェイルカードも購入が可能だが、ヴェイルカードの購入にはマナではなく
スピリットシンボルが必要となる。
ヴェイルカードにはレベル1とレベル2の2種類がある。
アドバンスメントと同様、通常、ハーベストフェイズで
一度に購入できるヴェイルカードの数は2枚までである。

 

・ヴェイルカードの見方f:id:guianakouji:20170525202040j:plain①購入コスト
ハーベストでこのヴェイルカードを購入する際に必要な
スピリットシンボルのコスト。この場合、「森」と「空」が1つずつ必要。
②勝利点(グレー)
ゲーム終了時にカウントされる勝利点。

 

・ハーベストフェイズの終了
今回、プレイヤーが獲得したマナは3点。
ハーベストでプレイヤーは獲得した3点のマナを使い、
「Sentry」のカードを購入した。

f:id:guianakouji:20170525202131j:plainこれ自体では何の効果もないが、ガーディアンシンボルが
2つ付いており、使いようによっては大きな効果を発揮する。
このアドバンスメントを買ってプレイヤーはハーベストフェイズを終了した。

 

・廃棄フェイズ

ハーベストフェイズの後は廃棄(ディスカード)フェイズとなる。
フィールドにプレイされたカードは全て一旦、捨て札となるが、
その前に購入したアドバンスメントをフィールドに
プレイされたいずれかのカードのスリーブに挿入すること。

f:id:guianakouji:20170525202228j:plain
この際、アドバンスメント同士のイラストの位置が重なってはならない。

 

・アドバンスメントのコンボの例
ゲーム中、ターンを重ねるごとにデッキの中でアドバンスメントの種類が
充実していく。

f:id:guianakouji:20170525202320j:plain「Sentry」のみのカードは特段の旨みがないが、
同じカードに「Giant Toad」が挿入されている場合、
ハーベストフェイズ時に「Giant Toad」の効果によって
同一カード上のガーディアンシンボル(兜のマーク)1つにつき、
勝利点を1点獲得できるようになる。
つまり、このカードをプレイしてハーベストフェイズを迎えれば
毎回、勝利点を2点得られるようになるのだ。

 

・ターンの終了

購入したアドバンスメントをスリーブに入れたら、
そのカードを含め、フィールドへ配置されていたカードを
全て捨て札とする。後のターンで現在のデッキが尽きた後、
捨て札はシャッフルされて再びデッキとなり、
徐々に出来上がっていく強力なカードが循環するようになっていく。
ちなみにデッキの圧縮という概念はなく、
いかに衰退のシンボルに対処できるかでデッキの循環率は
高まっていく。
なお、廃棄フェイズを終えた後は準備フェイズとなり、
他のプレイヤーの手番中であっても、衰退のシンボルが
規定数現れるまでは予めフィールドへカードをプレイすることが可能である。

 

・アドバンスメントによるコンボの例①

f:id:guianakouji:20170525202708j:plainカード中段の「Creeping Mold」はハーベストの際に
フィールドへプレイできていれば勝利点が
6点ももらえる強力なアドバンスメントだが、衰退のシンボルが2つも
ついているのが難点。しかし、ここで物を言うのが
カード下段の「Lifebringer Seed」
このアドバンスメントの効果によって同一カード上の
全ての衰退のシンボルは常時無効化され、スポイルする
リスクのない無害なカードになっている。
さらにカード上段の「Hatchery」はこのカードが
フィールドへ2番目以降にプレイされていれば、
このままフィールドに「次のターンの1枚目のカード」として
残るという効果を持っている。つまり、次のハーベストフェイズでも
ノーリスクでの勝利点6点獲得が確約される。

 

・アドバンスメントのコンボの例②f:id:guianakouji:20170525202803j:plainカード上段の「Aurora」はハーベスト時にフィールドへ
プレイされているカード2枚ごとに1点の勝利をもたらしてくれる。
カード中段の「Ley Line Overflow」はハーベスト時に
獲得可能なマナをカウントした後、それらを倍にしてくれる。
衰退のシンボル付きなのが厄介だが、カード下段の「Bear Totem」
左端についている木を象った丸い緑色の生育(Growth)のシンボルは
フィールド上のカードとオンデッキカード上の衰退のシンボルを
1つキャンセルしてくれるため、実質的にスポイルするリスクがない
カードとなっている。

 

このようにアドバンスメント同士で様々なカードを作り上げ、
得点を上げていくことがこのゲームの醍醐味となる。

 

 ヴェイルカードはアドバンスメントのように重ねることこそ
できないものの、こちらにも勝利点がつくものや
特殊な効果を持つものがある。f:id:guianakouji:20170525202857j:plainマナと並行してスピリットシンボルをを稼ぎながら獲得していければ心強いだろう。
右側の「Stream of Vigor」にはハーベストフェイズで2マナを追加でもたらす他、
アドバンスメントを3枚まで購入可能にする能力がある。

 

・ゲームの終了

こうした一連のプロセスを繰り返し勝利点を獲得していくが、
ゲーム開始時に準備した勝利点プールが枯渇したら、
ゲームの終了条件が整う。プールが空になった直後、
全てのプレイヤーが同じ回数のターンをプレイして、
ゲームは終了となる。

デッキ中のカードの勝利点(グレー)、ヴェイルカード上の
勝利点(グレー)、およびアドバンスメント、ヴェイルカードの
特殊効果によって獲得した勝利点を合計し、
一番得点が高かった者が最大の栄誉をもって讃えられる
ドルイドの英雄となる。

 

・総評

カードの購入が早い者勝ちになっていることを除けば、
プレイヤー同士のインタラクションが無く、
それが退屈だとの批判もある。
しかし、序盤は乏しかったリソースが
徐々に増していき、購入できるカードの選択肢が広がり、
様々なジレンマを乗り換えた果てに強力なカードを作り上げた際の
快感は計り知れない。それが勝利に繋がればなおのことだ。
ドミニオン』を始めとしたデッキ構築ゲームは勿論、
『宝石の煌き』のような拡大再生産系ゲームを好むプレイヤーにも
是非一度遊んでみて欲しい。
ゲームの仕様上、こじんまりとしているのが残念だが、
美麗なカードのイラストも見ものだ。

 

・翻訳など

なお、言語依存は難点だが、以下の解説ファイルを片手に
カード類の特殊効果を確認してもらえればプレイに
大きな支障はないと思われる。

https://app.box.com/s/4tjcbvuljb9pqvsqwcssstip9ugqqe80

※指摘、ツッコミ歓迎。

 

THE REFUGE キックスターターでの追加カード

追加カードについて

「THE REFUGE」のキックスターター版ではストレッチゴールの特典として

以下の追加カードが付属していた。

f:id:guianakouji:20170518211233j:plain

上段左側から、下段右側にかけて、それぞれの効果は以下の通り。

※は個人的な寸評。

 

・「RELOAD (リロード)」

捨て札から「武器カード」を2枚回収する。

※強力だが、捨て札に武器カードがなければ当然ながら意味がない。

  

・「EMP (電磁気パルス)」

プレイヤー全員の手札、捨て札、残っている山札を全て集めて

シャッフルし、各プレイヤーへ3枚ずつ配り直す。

※デッキに入れすぎると収拾がつかなくなるため、

 1ゲーム、1~2枚程度とするのが無難。

 

・「SCAVENGE (ゴミ漁り)」

 捨て札から枚、任意のカードを回収する。

※カギが捨て札中にあると確定していれば使えるか?

 

・「TRADE (取引)」

他のプレイヤーを人指定し、お互いのカードを

見せないまま交換する?

※テキストの内容が今一歩分かりづらい。

 

・「RIOT SHIELD (暴徒用シールド)」

自分へ向かってきたゾンビを元々いたタイルに

向けて押し戻す。攻撃された時のみ使用可能。

※存在意義が良く分からないカード。自発的に使用し、

 ゾンビを他のプレイヤーに押し付けたりできれば面白いのだろうが。

 

・「BANK (銀行)」

1枚のカードを場に伏せて保管する。保管されたカードは

窃盗や先述のEMPカードの効果を受けないが、

再度、回収する際にはターンを消費する。

※一見、有用そうだが、回収直後のターンを窃盗やEMPで

 狙われるリスクがある。

 

「INTERCEPT (インターセプト)」

盗まれたばかりのカードを即座に盗み返す。

カギカードの盗難防止として持っておいて損はない?

 

FLASH LIGHT (懐中電灯)」

現在、自分がいるタイルの効果を即座に使用する。

※出現タイルや危険タイルを再利用すれば他のプレイヤーにとって

 予想外の妨害になることもあるかもしれない。

 

「SUPER JUMP (超跳躍)」

1タイルでなく、2タイル、スキップして移動する。

※強力。デッキに組み込む枚数に要注意。 

 

以上。全体的にあくまでオマケの特典といった印象で、

バランス調整がイマイチなのに加え、ゲームに大きなアクセントを

加えてくれるカードがないのが残念である。

今後、正式な拡張版が出るようであればそちらの内容に

期待したいところだ。

『THE REFUGE -生存競争-』を遊ぶ

f:id:guianakouji:20170515203827j:plain※記事の執筆にあたって今回使用したのは海外版。イエローサブマリン様で

 委託販売されている物はパッケージを含め全て日本語化済み。

 

・ゲームの概要

 本作、『THE REFUGE』はキックスターターでのクラウドファンディングによって

2016年に製品化に至った一作。発売元はアメリカの新興メーカー、B&B GAMES STUDIO

 戦争、環境破壊といった数々の人類の愚行の果てにゾンビだらけに

なってしまった未来世界。プレイヤーはゾンビたちの脅威を逃れて

限られた人間のみが暮らすという避難地(The Refuge)を目指して

過酷な生存競争を繰り広げることとなる……以上がゲームのおおよその

バックグラウンドストーリーである。 

 

コンポーネントなど

f:id:guianakouji:20170515204534j:plain

コンポーネントは以下の通り。

・プレイヤーミニチュア 6体

・ゾンビミニチュア 60体

・サプライカード 49枚

ご覧の通り、ゲームの内容は二の次で、とにかく無数のゾンビどもを

心ゆくまでペイントしたいという方々にもお楽しみいただけそうだ。

 

f:id:guianakouji:20170515224506j:plainペイント済みのミニチュアの一例。

 

 

・ゲームの目的

プレイヤーはボード手前の『START』が書かれた位置からゲームを開始し、

他のプレイヤーよりも先にボード奥の『FINISH』への到達を目指す。

ただし、『FINISH』手前にある錠前のタイルに足を踏み入れるには

事前に『カギ』のカードを入手しなければならない。

 

f:id:guianakouji:20170515205717j:plain

・ゲームの進行

 初期手札としてサプライカードをそれぞれのプレイヤーが3枚引いたら

ゲーム開始となる。珍しいケースだが、配られたカードが3枚ともカギの

場合はカードは配り直しとなる。

 ゲーム開始後、プレイヤーが自分の手番で可能な行動は以下の3つ。

 ・前後左右に1タイル(マス)移動(斜め移動は基本不可)。

 ・サプライカードの山札から1枚を引く(手札に上限なし)。

 ・サプライカードを使用する。

サプライカードおよびボード上のタイルを駆使することが勝負の

カギとなる。

 

・サプライカード

f:id:guianakouji:20170515204444j:plain

サプライカードは全部で7種類、各7枚で全49枚。

全て1回のみの使い捨てとなる。各カードの効果は以下の通り。

 

f:id:guianakouji:20170515210614j:plain

『機敏 (AGILITY)』のカード。使用することで通常は不可能な斜め移動が可能に。

 

 

f:id:guianakouji:20170515210748j:plain

 『跳躍 (JUMP)』のカード。前後左右1タイルをスキップし、その先のタイルへ

移動が可能。ゲーム中、他のプレイヤーが占有しているタイルには足を

踏み入れることができず、ゾンビがいるタイルでは否応なく戦闘となるため、

これらの状況を避けるために重宝するだろう。

 

f:id:guianakouji:20170515211316j:plain

『武器 (WEAPON)』と『アドレナリン (ADRENALINE)』のカード

武器カードがあれば、自分が足を踏み入れたタイルに存在していたゾンビ、

もしくは自分のいるタイルに踏み込んできたゾンビを還るべき場所へ還してやれる。

武器カードがない状態でゾンビと遭遇した場合、即座に戦闘に敗北し、

スタート地点から再度ゴールを目指す羽目となる。

この場合、サプライカードを没収されないのがせめてもの救いだ。

 

f:id:guianakouji:20170515211532j:plain

ゾンビのいるタイルに踏み込み、武器カードでゾンビを討伐した。

この際、アドレナリンカードを所持していれば、ゾンビを倒した後に

追加行動が可能となる。アドレナリンカードは強力だが、

武器とセットでないと効果を発揮しない点には要注意。

 

f:id:guianakouji:20170515211709j:plain

アドレナリンの効力による追加行動でさらに前進した。移動する代わりに

カードを引いたり、使用したりすることも当然可能。

 

 

f:id:guianakouji:20170515211955j:plain 『窃盗 (STEAL)』のカード。使用した時点で他のプレイヤーを指定し、

ババ抜きの要領でランダムにカードを1枚奪い取る。画像は水色のプレイヤーが

オレンジのプレイヤーからカードを盗みとろうとする一幕。

 

 

f:id:guianakouji:20170515212252j:plain

カギカードを引き当てられれば御の字。例外もあろうが、

少ない手札のまま、一心不乱にゴールを目指しているプレイヤーは

窃盗カードで狙うべきカモだろう。

 

 

f:id:guianakouji:20170515212650j:plain『懐中時計(POCKET WATCH)』はこのゲームでも屈指の強力なカード。

他のプレイヤーの手番時に使用し、その手番に割り込んで先に

1回行動を取ることができる。水色のミニチュアのプレイヤーの手番時に

オレンジのミニチュアのプレイヤーが使用すれば……。

 

 

f:id:guianakouji:20170515212943j:plain

懐中時計カードの効果で水色のプレイヤーの手番に割り込んで行動し、

一歩さらに前進した。オレンジのプレイヤーはゴールまであと一歩だ。

なお、錠前のタイルに踏み入れる時にはカギカードの使用を忘れずに。

ちなみに懐中時計の使用にはハートを5つ消費する……と、それは

ゾンビでなくヴァンパイアのゲームだった。

 

・タイルの効果

サプライカードと並んで重要なのがボード上のタイル。

種類こそ多くはないが、他のプレイヤーの位置を把握しながら

活用すべきだ。タイルは基本的にプレイヤーが足を踏み入れた時点で

効果を発揮する。

 

f:id:guianakouji:20170515214141j:plain

出現 (SPAWN)のタイル。どこぞの私刑執行人を彷彿とさせる自己主張の強い

ドクロマークが目印だ。オレンジのプレイヤーがここへ踏み込めば……。

 

 

f:id:guianakouji:20170515214223j:plain

ボード上の任意の出現タイル上にゾンビを出現させることが可能。

他のプレイヤーの足止めとして役立つ。出現タイルはボード上に豊富なので

ゲーム中は瞬く間にゾンビパラダイスが出来上がってゆく。ちなみにゾンビは

同一タイルに2体以上存在できない。

 

f:id:guianakouji:20170515214402j:plain

危険 (HAZARD)のタイル。オレンジのプレイヤーがこのタイルに突入すれば……。

 

 

f:id:guianakouji:20170515214512j:plain

既にボード上に出現しているゾンビを前後左右任意の方向へ

1タイル移動させられる。丸腰(武器カードなし)のプレイヤーに

けしかけてやれば、即、あの世(スタート地点)送りだ。

 

 

f:id:guianakouji:20170515214806j:plain安全地帯 (SAFE)タイル。その名の通り安全地帯。

踏み込んだタイミングでなく、常時効果を発揮するタイルとなっており、

このタイルにゾンビは踏み込むことはできない。

ゾンビを尻目にサプライカードの収集に専念したい時などに使えるタイルだが……。

 

f:id:guianakouji:20170515215234j:plain

水色のアーチャーネーチャンの背後で不穏な動きを見せるオレンジのオヤジ。

 

f:id:guianakouji:20170515215536j:plain

 転換(SWITCH)のタイルへ踏み込むと……。

 

f:id:guianakouji:20170515215700j:plain安全地帯にいる他のプレイヤーと入れ替わることが可能。

ゴール間近の安全地帯に停滞するのは愚策に他ならない。

なお、入れ替わりを行うかどうかは踏み込んだプレイヤーの任意である。

 

・ゲームの終了

以上のようにタイルとサプライカードを有効利用しながら、

他のプレイヤーを出し抜き、最初に『FINISH』へ辿り着いたプレイヤーが

勝者となるが、山札が尽きた場合もそれがゲームの終了条件となる。

この場合、ゴールに一番接近していたプレイヤーが勝者となるが、

ゴールから同一の距離に複数のプレイヤーがいた場合、所持していたカギカードが

最も多かった者が勝者となる。

 

・総評

 2人から6人までがプレイ可能だが、5人以上は山札が尽きて

終了となるケースが多く、3~4人が適正プレイ人数だと思われる。

また、懐中時計カードが強力で、運次第ではあるが、これが複数枚

手に入ってしまうと容易くゴールに到達できてしまう。

幸い、ルールブックでもハウスルールの適用を推奨しているので、

山札から懐中時計カードの枚数を減らしたり、手札に上限を

設定するなどの工夫を凝らせば、この辺りの難点も解消できるだろう。

 パッケージの外観やミニチュア類のボリューム感から中量級以上の

プレイ感がありそうな印象を受けるが実際のプレイ感は

カードゲームに近く、良くも悪くも軽い。

とは言え、ゾンビ以上に恐ろしいのは極限の状況下でエゴの塊となった

人間であるというゾンビ物定番のテーマをボードゲームという

体裁で手軽に堪能させてもらえる一作に仕上がっている。