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"B"から”Z”までに捧げる。そんなブログ。

『MYSTIC VALE』を遊ぶ

f:id:guianakouji:20170525200236j:plainベースゲームのパッケージ。

 

f:id:guianakouji:20170525200416j:plain拡張第一弾「Vale of Magic」のパッケージ。今回の記事ではこちらの拡張も
導入した状態で執筆している。

 

・ゲームの概要

MYSTIC VALE』は2016年にAlderac Entertainment Groupから
発売されたカードゲーム。
ドミニオン』のヒット以降、それをベースとした
デッキ構築型の派生ゲームがいくつかリリースされてきたが、
本作では透明シートの一部にイラストやデータを記載した
特殊なカードを用いることでデッキでなく、
カードその物を構築できることが特色となっている。
デッキビルディングならぬカードクラフティングゲーム……
それが本作である。

 

・四行でわかるストーリー

魔王「げほげほ。このままだと死んでしまう……。ドルイドさん、なんとかして」
ドルイド「うん、やだ。(長生きされると厄介だし)」
魔王「ちくしょー、最後の力でお前たちの聖地に呪いをかけてやらぁ!」ばたっ
ドルイド「やべぇ、どうしよう……」←今ここ

わりとこんなストーリーのゲームだ。

 

・ゲームの目的

プレイヤーは大地の神、ガイアを信奉するドルイドとなり、
動植物、自然環境、精霊、英雄たち等の力を借りながら、
悪しき王の呪いによって荒廃してしまった聖地を復興させていくこととなる。
復興作業への貢献はゲーム中、勝利点という形で表現されており、
最終的に最も多くの勝利点を得た者が勝者となる。

 

・ゲームの準備

f:id:guianakouji:20170525200928j:plainトークン類を除けばゲームで使用するのはカードのみである。
まず、以下のプレイヤー人数に応じて勝利点のプールを
準備する。

2人プレイ:23点
3人プレイ:28点
4人プレイ:33点

 

また「アドバンスメント」(詳細は後述)のカードも
レベル1の物はプレイヤー人数に応じて変わるため、以下の通り、
セットアップする。

2人プレイ:12枚
3人プレイ:15枚
4人プレイ:18枚

 

 

f:id:guianakouji:20170525201025j:plainプレイヤーには若干大きめのスリーブに入った
20枚のカードからなるデッキがまず手渡される。

 

f:id:guianakouji:20170525201108j:plain初期状態のデッキの中身。衰退(Decay)を示す赤い枯木のシンボル(詳細は後述)と
ゲーム中のお金に相当するマナを示す水色のシンボルが書かれたカードの他、
完全にブランクのカードが8枚あり、ここからゲームはスタートする。

 

・ゲームの進行

プレイヤートークンを表向き(水色の面)にしてよく混ぜ、
各プレイヤーが1枚ずつそれを取っていく。

f:id:guianakouji:20170525201217j:plain

トークンを裏返して裏側(グレーの面)に星が描かれていたトークンを

取ったプレイヤーがスタートプレイヤーとなり、ゲームが開始される。

 

・プランティングフェイズ

手番プレイヤーはまず「プランティング」(植樹)フェイズを実行する。
簡単に言ってしまうと、このフェイズの目的は後のフェイズで
買い物をするために必要な資金集めである。


プレイヤーは良くシャッフルした自分のデッキを伏せて置き、
一番上のカードをオープンする。デッキの上にオープンされて
置かれたカードは「オンデッキカード」とゲーム中で呼称される。
その後、オンデッキカードを「フィールド」と呼ばれる
デッキの隣のスペースにオープンした順番が分かるように
並べて(プレイして)いく。

f:id:guianakouji:20170525201338j:plain

この時、注意しなければいけないのは「衰退」を示す赤く丸いシンボルだ。
オンデッキカードに3つ目の衰退のシンボルが現れたらカードを
オープンしてプレイする作業を中断し、ここで現在の
プランティングフェイズをパスするかプッシュする(カードを引き続ける)かを
選択しなければならない。

 

➥パスをした場合
フィールドにプレイされているカードに記載されたマナの合計が
後の「ハーベスト」(収穫)で使用できる資金となる。
この時、オンデッキカードは衰退のシンボルのみがカウントの
対象となり、マナやその他の効果は基本的にカウントされないので注意。
従って上のケースでプレイヤーが獲得したマナは3となる。
そして、そのままハーベストフェイズへ移行する。

 

➥プッシュした場合
続けてカードをオープンし、プレイしていくことができ、
任意のタイミングでパスが可能。しかし、オンデッキカードに
4つ目の衰退のカードが現れた場合、「スポイル」(腐敗)が
発生してしまう。

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※スポイルした際の例

プランティングフェイズでスポイルが発生すると
その後のハーベストフェイズがスキップされてしまう。
つまり、新しいカードを購入できなくなる他、ハーベストフェイズでのみ
得られる様々な恩恵を受けられなくなる。
これは手痛い。

 

このようにスポイルはペナルティなのだが、
プレイヤートークンが裏面(グレー側)だった場合、
これを表面(水色側)に裏返して次のターン以降、1マナとして利用できる。
プランティングで獲得するマナは次のターン以降持ち越しができないが、
プレイヤートークンの反転によって得たマナは例外だ。

 

 ・ハーベストフェイズ

プランティングで得たマナで買い物を行うのが
ハーベストフェイズである。
プレイヤーは「アドバンスメント」と「ヴェイル」の
2種類のカードをこのフェイズで購入ができる。

 

・アドバンスメントの購入

f:id:guianakouji:20170525201709j:plainコモン(共有地)と呼ばれる場所からアドバンスメントを選び
購入する。アドバンスメントには1~3までのレベルがあり、
当然、高レベルになるほど強力で価値のあるカードが増えていくが、
レベル1のカードは汎用性が高いものが多く、
まずはこのレベル帯のカードを充実させていくことが重要だ。
ただし、レベル1のアドバンスメントの数はレベル2、レベル3と
比較して少ないため、必然的に早い者勝ちとなる。

なお、レベル1のカードが尽きた場合、レベル1のカードが補充されていた
場所にはレベル2のカードが補充されていく。

f:id:guianakouji:20170525201752j:plain また、獲得マナを1つ増やせる肥沃な土地(Fertile Soil)のカードも
アドバンスメントとして2マナで購入できる。
イラストの位置は上中下、任意の箇所を選んで購入できる。
悪いカードではないが、カードのスロットを後々圧迫するため心には留めておこう。
ちなみに、通常、ハーベストフェイズで一度に購入できる
アドバンスメントの数は2枚までである。

 

 

・アドバンスメントの見方

f:id:guianakouji:20170525201959j:plain①勝利点(水色)
ハーベスト時にこのアドバンスメントがフィールドにプレイされていた場合、
即時獲得できる勝利点。
②衰退
衰退のシンボル。プランティング時のスポイルの条件となる。
特殊な状況を除いて有り難くない物なので、1つのカードに
2つ以上の衰退のシンボルが付かないよう注意したい。
③スピリットシンボル
ヴェイルカードを購入する時に必要なシンボル。
写真にもある足跡マークの「獣」の他、星マークの「空」、
樹木マークの「森」、そして他のスピリットシンボルとして
代用可能な紫の渦マークの「ワイルド」の4種類が存在する。
④ガーディアンシンボル
兜のマークが目印のシンボル。これ単体では意味がないが
アドバンスメントの能力次第で様々な効果を持つ。
⑤購入コスト
ハーベストでこのアドバンスメントを購入する際に必要な
マナのコスト。コスト下の小さな星はアドバンスメントのレベルである。
⑥勝利点(グレー)
水色と異なり、ハーベスト時に獲得はできないが
ゲーム終了時にカウントされる勝利点。

 

・ヴェイルカードの購入f:id:guianakouji:20170525202607j:plain

ハーベストではアドバンスメントと同じように
ヴェイルカードも購入が可能だが、ヴェイルカードの購入にはマナではなく
スピリットシンボルが必要となる。
ヴェイルカードにはレベル1とレベル2の2種類がある。
アドバンスメントと同様、通常、ハーベストフェイズで
一度に購入できるヴェイルカードの数は2枚までである。

 

・ヴェイルカードの見方f:id:guianakouji:20170525202040j:plain①購入コスト
ハーベストでこのヴェイルカードを購入する際に必要な
スピリットシンボルのコスト。この場合、「森」と「空」が1つずつ必要。
②勝利点(グレー)
ゲーム終了時にカウントされる勝利点。

 

・ハーベストフェイズの終了
今回、プレイヤーが獲得したマナは3点。
ハーベストでプレイヤーは獲得した3点のマナを使い、
「Sentry」のカードを購入した。

f:id:guianakouji:20170525202131j:plainこれ自体では何の効果もないが、ガーディアンシンボルが
2つ付いており、使いようによっては大きな効果を発揮する。
このアドバンスメントを買ってプレイヤーはハーベストフェイズを終了した。

 

・廃棄フェイズ

ハーベストフェイズの後は廃棄(ディスカード)フェイズとなる。
フィールドにプレイされたカードは全て一旦、捨て札となるが、
その前に購入したアドバンスメントをフィールドに
プレイされたいずれかのカードのスリーブに挿入すること。

f:id:guianakouji:20170525202228j:plain
この際、アドバンスメント同士のイラストの位置が重なってはならない。

 

・アドバンスメントのコンボの例
ゲーム中、ターンを重ねるごとにデッキの中でアドバンスメントの種類が
充実していく。

f:id:guianakouji:20170525202320j:plain「Sentry」のみのカードは特段の旨みがないが、
同じカードに「Giant Toad」が挿入されている場合、
ハーベストフェイズ時に「Giant Toad」の効果によって
同一カード上のガーディアンシンボル(兜のマーク)1つにつき、
勝利点を1点獲得できるようになる。
つまり、このカードをプレイしてハーベストフェイズを迎えれば
毎回、勝利点を2点得られるようになるのだ。

 

・ターンの終了

購入したアドバンスメントをスリーブに入れたら、
そのカードを含め、フィールドへ配置されていたカードを
全て捨て札とする。後のターンで現在のデッキが尽きた後、
捨て札はシャッフルされて再びデッキとなり、
徐々に出来上がっていく強力なカードが循環するようになっていく。
ちなみにデッキの圧縮という概念はなく、
いかに衰退のシンボルに対処できるかでデッキの循環率は
高まっていく。
なお、廃棄フェイズを終えた後は準備フェイズとなり、
他のプレイヤーの手番中であっても、衰退のシンボルが
規定数現れるまでは予めフィールドへカードをプレイすることが可能である。

 

・アドバンスメントによるコンボの例①

f:id:guianakouji:20170525202708j:plainカード中段の「Creeping Mold」はハーベストの際に
フィールドへプレイできていれば勝利点が
6点ももらえる強力なアドバンスメントだが、衰退のシンボルが2つも
ついているのが難点。しかし、ここで物を言うのが
カード下段の「Lifebringer Seed」
このアドバンスメントの効果によって同一カード上の
全ての衰退のシンボルは常時無効化され、スポイルする
リスクのない無害なカードになっている。
さらにカード上段の「Hatchery」はこのカードが
フィールドへ2番目以降にプレイされていれば、
このままフィールドに「次のターンの1枚目のカード」として
残るという効果を持っている。つまり、次のハーベストフェイズでも
ノーリスクでの勝利点6点獲得が確約される。

 

・アドバンスメントのコンボの例②f:id:guianakouji:20170525202803j:plainカード上段の「Aurora」はハーベスト時にフィールドへ
プレイされているカード2枚ごとに1点の勝利をもたらしてくれる。
カード中段の「Ley Line Overflow」はハーベスト時に
獲得可能なマナをカウントした後、それらを倍にしてくれる。
衰退のシンボル付きなのが厄介だが、カード下段の「Bear Totem」
左端についている木を象った丸い緑色の生育(Growth)のシンボルは
フィールド上のカードとオンデッキカード上の衰退のシンボルを
1つキャンセルしてくれるため、実質的にスポイルするリスクがない
カードとなっている。

 

このようにアドバンスメント同士で様々なカードを作り上げ、
得点を上げていくことがこのゲームの醍醐味となる。

 

 ヴェイルカードはアドバンスメントのように重ねることこそ
できないものの、こちらにも勝利点がつくものや
特殊な効果を持つものがある。f:id:guianakouji:20170525202857j:plainマナと並行してスピリットシンボルをを稼ぎながら獲得していければ心強いだろう。
右側の「Stream of Vigor」にはハーベストフェイズで2マナを追加でもたらす他、
アドバンスメントを3枚まで購入可能にする能力がある。

 

・ゲームの終了

こうした一連のプロセスを繰り返し勝利点を獲得していくが、
ゲーム開始時に準備した勝利点プールが枯渇したら、
ゲームの終了条件が整う。プールが空になった直後、
全てのプレイヤーが同じ回数のターンをプレイして、
ゲームは終了となる。

デッキ中のカードの勝利点(グレー)、ヴェイルカード上の
勝利点(グレー)、およびアドバンスメント、ヴェイルカードの
特殊効果によって獲得した勝利点を合計し、
一番得点が高かった者が最大の栄誉をもって讃えられる
ドルイドの英雄となる。

 

・総評

カードの購入が早い者勝ちになっていることを除けば、
プレイヤー同士のインタラクションが無く、
それが退屈だとの批判もある。
しかし、序盤は乏しかったリソースが
徐々に増していき、購入できるカードの選択肢が広がり、
様々なジレンマを乗り換えた果てに強力なカードを作り上げた際の
快感は計り知れない。それが勝利に繋がればなおのことだ。
ドミニオン』を始めとしたデッキ構築ゲームは勿論、
『宝石の煌き』のような拡大再生産系ゲームを好むプレイヤーにも
是非一度遊んでみて欲しい。
ゲームの仕様上、こじんまりとしているのが残念だが、
美麗なカードのイラストも見ものだ。

 

・翻訳など

なお、言語依存は難点だが、以下の解説ファイルを片手に
カード類の特殊効果を確認してもらえればプレイに
大きな支障はないと思われる。

https://app.box.com/s/4tjcbvuljb9pqvsqwcssstip9ugqqe80

※指摘、ツッコミ歓迎。